地区防災計画モデル地区に選ばれました!

修禅寺ニュータウンが、平成27年度の地区防災計画モデル地区に選ばれました!

「地区防災計画」とは、昨年の平成26年4月に施行された、災害対策基本法に基づいて、全国各地からモデル地区を選び、そこに住んでいる人達や事業者が協力し合って、自発的な防災活動を行っていくための計画を立案する、というものです。

この制度は、国土交通省の上位機関である「内閣府」が主導するもので、制度発足の昨年度は、静岡県内の、静岡市葵区上足洗3丁目地区、および富士駅南地地区(富士市)の2地区を含む15地区が選ばれました。

今年度はこれに続き、22地区が選ばれましたが、静岡県では、我がニュータウンだけであり、県内では3番目の指定になります。

以前にもこのブログで紹介しましたが、地区在住で、防災会会長の谷村彦太郎さんは、伊豆市の自主防災会代表でもあり、また静岡県地域防災活動推進委員会の委員もやっていて、この地域における防災対策のいわば顔役です。この谷村さんによる県などへの熱心な呼びかけで実現したもので、そのご努力に敬意を表したいと思います。

で、いったい何をやるの?ということなのですが、まず、日本における防災計画というものには、国レベルの総合的で長期的な計画である「防災基本計画」というのがあります。また、地方レベル、つまり都道府県や市町村では、「地域防災計画」というものがあり、それぞれのレベルでそれぞれの計画にもとづき、防災活動が実施されています。

一方、先の東日本大震災においては、各地で自助、共助及び公助がうまくかみあわないことで、こうした大きな災害が起こったあとの対策がうまく働かない、といったことがありました。

その教訓を踏まえて、「災害対策基本法」というものが創られ、この中で、もっと地域住民のレベルにまで立ち返って自助及び共助をしてもらおう、という制度がいくつか追加されました。

これが「地区防災計画」です。この制度の特徴は、そのモデル地区に住んでいる住民の立場・目線で、自発的に計画を立てる、というところに重点を置いています。従って、市や県のお役人さんの顔色をうかがいながら、ということではなく、あくまで自分たちで作っていく計画です。

また、地区防災計画は、そこに住んでいる人達の意向が強く反映されることを目的としたボトムアップ型の計画であり、地区に住む人々による提案は、市などの防災計画に反映されます。最終的な目的は、市町村地域防災計画と地区防災計画とが連携することにより、地域全体の防災力を向上させることが目的です。

このため、地区に住んでいる人々が計画した提案内容は、市町村が定期的に開いている「防災会議」という会議に提出され、市町村防災会議には、その提案に対して、何等かのリアクションをしなければならない、というふうに取り決められています。

とはいえ、こうしたモデル地区に住んでいる人達のほとんどは防災に対する知識はない、素人です。我がニュータウンも同じであり、おそらく防災?と聞かれてもなかなかピンと来ない人が多いでしょう。

そこで、こうしたモデル地区に選ばれた地域には、そこでの防災計画を立てるにあたって、防災の専門家がアドバイザーとして、参加するようになっています。また、防災計画を作るにあたっての資料づくりについても、専門のコンサルタントが付くことになっていて、それぞれ費用は内閣府が持ってくれます。

ニュータウンの場合、その専門家には、財団法人の国際エメックスセンター事務局長の「川脇康生(かわわきやすお)」先生がなってくださることになりました(大阪大学大学院国際公共政策研究科修了。博士。)

このセンターは、瀬戸内海、チェサピーク湾、バルト海、地中海など世界の閉鎖性海域の環境保全の問題を解決するため、こうした地域の国際交流を行うことを目的として作られた組織です。

川脇先生はこのほか、瀬戸内海環境保全協会の事務局長も兼任されており、こうした環境問題における御造詣が深いようですが、阪神・淡路大震災も経験されており、その教訓を生かして、災害復興支援活動や、防災に関する研究にも取り組まれています。現職の兵庫県職員でもいらっしゃいます(兵庫県・県土整備部)。

実は、来たる9月6日(日)(AM9:00~11:00予定)に、修善寺ニュータウン内の、養護ホーム、ニチイホームで、地区講演会をしていただく予定になっています。講演テーマは、「みんなでつくる地区防災計画~近所づきあいと災害に強いまちづくり」です。

残念ながら、ニュータウン地区に住んでいる方のみが対象となっており、一般参加は受け付けていませんが、講演の結果はいずれまたこのブログでも紹介したいと思います。

当該ニュータウンにおける地区防災計画の立案は、この講演会を経てから、ということになりそうです。

当ニュータウンは安全な町ではありますが、山の上にあって風が強いこと、また南海トラフで将来起こるとされている大地震が予想されること、などいくつか防災上の大きな課題があることも確かです。この町の自然特性や社会特性をじっくりと検討しながら、何があっても臨機応変に対応できるようにしていかなくてはなりません。

平常時、発災直前、災害時、復旧・復興期の各段階で想定される防災活動を整理することも重要です。川脇先生だけでなく、市や県の防災関係者のお知恵のほか、消防団、各種地域団体との連携も重要になってくるでしょう。

災害に強い街づくりを目指して、地域住民による防災計画の完成に向けて、今後の奮闘努力が期待されます。

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