発端丈山へ

前回、益山寺というお寺について書きました。この益山寺の最奥部に「伊加麻志神社」という神社がありますが、ここの裏手には、伊豆の名峰、葛城山や発端丈山に行くための登山道があります。今日はこの発端丈山(地図)へのルートについて少し書いてみようと思います。

地図をご覧いただくとお分かりのように、駿河湾に面した低山です。海側の三津(みと)や内浦からも登っていける登山道があります。「静岡の百山」のひとつとして静岡百山研究会に選定されています。これもいつか紹介したいと思うのですが、大仁には城山という岩山があり、ここからも歩いてくることができます。

益山寺からのコースは、周りを松林と藪に囲まれたあまり眺望のよくない道のりですが、ときおり長岡方面の視界が開ける場所もあります。また、山桜の古木も各所にあり、春にはこれらを楽しみながら登山できます。

途中、二か所ほど分岐点があります。が、いずれも発端丈山への矢印が示されているので、間違うことはないでしょう。益山寺からの所要時間は、手元のガイドブックによれば30分となっています。が、暑い季節ならゆっくり上ったとして、40分くらいでしょうか。途中ガレ場のような危険な個所はなく、女性や子供さんでも登れます。

ただ、頂上に近づく最後の部分は少々きついかもしれません。最後の緑のトンネルを抜けると、そこには大きな樹が一本立っています。わきを抜けて先に行くと、山頂は北西方向が開けており、左手には駿河湾とその向こうに清水静岡方面が見え、さらに真正面には、晴れていれば雄大な富士山が眺められます。

ここからは、麓の海岸線は木々によって遮られ見えません。ただし、この山頂から5分ほど下った先に分岐があり、これを左に行ってすぐのところに、展望ヶ所があります。ここかからは駿河湾奥部、沼津までの海岸線が一望できます。麓の内浦湾の宿泊施設や水族館の「淡島マリンパーク」のある淡島も見えます。無論、その先にそびえる富士山の眺め付きです。

この発端丈山は、戦国時代以前の南北朝時代に、関東管領だった「畠山国清」が城を構えていた、といわれます。「三津城」という名前だったようですが、はっきりした石垣などの史跡は残っていないようです。詳しいことは書きませんが、この畠山氏は、鎌倉幕府と仲たがいしてこの地に籠り、寄せてきた鎌倉公方勢と戦ったとされています。

歴史好きの方はそうした歴史も調べた上でここに登るとまた、楽しさも倍増するかもしれません。

位置的には沼津市になります。沼津市の観光サイトにも地図や写真などがありますので、登山してみたい方はこちらも参考にしてみてください。

上:山頂からやや下った登山道上にある展望地点からみた富士山。手前は淡島、その先に見えるのが沼津市内。

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