ツバメの季節

ソメイヨシノの季節が終わったと思ったら、八重桜の季節がやってきました。

ニュータウンでも、コミュニティ広場脇に8本ほどの八重があり、いまちょうどたわわな花が満開状態です。ほかにさくら通りにも八重があり、日々の散歩をする人々の目を楽しませています。

この桜が散り始めるころは、そろそろゴールデンウィークであり、麓の修禅寺温泉街にも、新緑を求めてあちこちから大勢の観光客が訪れます。この間、この町はどうか、といえば、その喧騒に巻き込まれることなく、いつものように全く静かでしょう。ただ、ここを通って戸田方向へ抜ける市道は、温泉側を走る県道18号よりも広くて快適なため、週末には、それなりの交通量もあります。

ちなみに、ニュータウンへは、ここが終点のバス(東海バス)が修禅寺駅から運行されているほか、戸田行きのバスもその入口で停車します。一日の運行数は片道7~8本ですが、それでも伊豆の多くの町ではバスすら運行されていないところも多く、この交通手段があるがゆえに、ここへ越してきたという人も多いようです。

ところで、先週くらいから気が付いていたのですが、今年もまたツバメが帰ってきているようです。

日本で繁殖するツバメの主な越冬地は台湾やフィリピン、マレー半島、ジャワ島などのようですが、今年もまたこれらの地から遠路はるばる帰ってきたわけです。ご存知のとおり、集団で民家内や軒下に住みつき、草で作った巣をつくります。

泥と枯草を唾液で固めて造るわけですが、ニュータウンのあちこちのお宅でもツバメの巣を持っているお宅は結構あります。昨今、全国的にツバメの減少が起こっているといわれますが、この地はツバメの餌となる虫類が生息する湖沼や田んぼが多いためか、いまだツバメの宝庫です。

人間がつくる穀物を食べず、害虫だけを食べてくれるだけに、「益鳥」として古くから大切にされてきましたが、また人の出入りの多い家にだけ巣くうことから、商売繁盛の印ともなっています。また、ツバメの巣のある家は安全であるという言い伝えもあり、巣立っていった後の巣を大切に残しておくご家庭も多いようです。

巣の近くの電線などに留まり、「チィチュロリ、チュリチュリ、ジュリリ」など、時折、濁った声を混ぜながら早口に囀る様は、たしかにかしましくはあるのですが、この町の毎年の風物詩でもあり、その姿をみると、今年もまたもうすぐ夏がやってくる、と感じられるのです。

新緑もだんだんと増えてきました。来週末にはもっと鮮やかな緑になることでしょう。

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