修善寺梅林のウメが見ごろです。
ニュータウンの西側入り口からは、徒歩わずか10分ほどという近さであり、我が町の居住者の憩いの場であるとともに、今の季節には大勢の観光客で賑わいます。
総面積30,000㎡の敷地に、樹齢100年を超える古木から若木までおよそ20種、1,000本の紅白梅が咲き誇る梅林で、毎年2月上旬から3月上旬までには、地元修善寺観光協会の主催による「梅まつり」が開催され、土産店や飲食店が軒を連ねます。とくに、たき火で焼いた修善寺梅林特産の鮎の塩焼きやしいたけ焼などが人気のようです。
園内には、縦横にめぐらされた園路があり、少々アップダウンはありますが、この道を縫うようにしてさまざまな角度からいろんな梅を観梅することができます。一番高台には、あずまやがあり、ここからはやや梅の木にかかりますが、北方に富士山も望むこができ、さらに西に目を転じると達磨山の穏やかな山並みもみることができます。
園内にはまた、双皎山荘(そうこうさんそう)という元茶屋(茶室)もあります。昭和13年に麓修善寺温泉街の老舗旅館、新井旅館が建てたものですが、しかし昭和30年代に放火で焼失しており、現在の双皎山荘は昭和43年に建て直された物です。かつての茶屋としての趣はさすがにないようですが、梅まつりの時期には富士を望める部屋で野点が楽しめまるようです(有料)。
かつての茶屋時代、ここには横山大観画伯を筆頭に前田青邨・川合玉堂・などの有名画家のほか、川端龍子・新井伯亭・小林古径・安田靫彦といった画家たちも訪れ、作画に励んだといいます。また歌舞伎の初代中村吉右衛門もここを訪れ俳句を詠んだといい、このほか、泉鏡花、長谷川伸などの作家も訪れています。
園内には、これら作家の6つの文学碑などがあり、このほか、麓の修禅寺温泉における源家の哀話を描いた、岡本綺堂の「修善寺物語」の記念碑もあります。これらの碑の前に立ち止って写真撮影などをする観梅客も多く、また無論天気の良いときには、富士山をバックにした写真撮影もできます。
静寂の中に趣のある梅林として広く親しまれているこの梅林に、あなたもぜひお越しください。