防災に関する講演会が開催されました

先日の日曜日(9月6日)の午前中、ニュータウン内にある介護老人ホーム、「ニチイホーム修禅寺」の地下ホールで、防災に関する講演会が開かれました。以前のブログ「地区防災計画モデル地区に選ばれました!」でもアナウンスしたとおりです。

講演者は、財団法人の国際エメックスセンター事務局長の「川脇康生(かわわきやすお)」先生で、講演テーマは、「みんなでつくる地区防災計画~近所づきあいと災害に強いまちづくり」です。

前回のブログでは、ニュータウン地区に住んでいる方のみが対象となっている、と書きましたが、その後どこからかこの講演があることを聞きつけた、県内のNPOなどの団体さんやその他からも傍聴の申し出があり、これら一般聴講者も含め、地域住民多数が参加しました。

会場では、およそ150席を用意しましたが、開演までには、ほぼほとんどが埋まるという、好評ぶりで、ニュータウンの人々の防災に対する高い意識がうかがわれました。

川脇先生のご講演に先立っては、ニュータウン自治会の防災会長である、谷村さんと、ニチイホーム修禅寺のホーム長、野田さんから御挨拶をいただき、また、市の防災担当者さんからもご挨拶をいただきました。

この市職員さんからのお話にもあったのですが、このニチイホームさんのホールというのは、実に広大な素晴らしい施設であり、伊豆市内にこんな立派な施設があったのか、といまさらのように皆が驚きました。

実は、ニチイホームさんと、修善寺ニュータウン自治会の間では、平成25年10月に、「災害時に関する覚書」が締結されており、万一地震や風水害などにより要介護認定者などが避難を余儀なくされるような場合には、双方の施設を解放して、避難者の受け入れなどの協力をする、という取り決めがなされています。

ニュータウンは津波の心配はまずありませんが、将来起こるかもしれない東海地震に備えていろいろな取り組みをしていかなければならない中において、こうした立派な施設を持つパートナーがいる、ということは大変心強いことです。

また、ニチイホームさんの中にも要介護者が多数いらっしゃることから、災害時にはこれらの方に対する、ニュータウンの住民の援助が必要になってくる場合もあるでしょう。

川脇先生の講演内容ですが、まず、地区防災計画とはそもそも何か、といった説明から始まり、修善寺ニュータウンにおける地区としての現状(人口推移や高齢化率など)、今後の防災計画の方向性、互助、共助、支援の仕組みのあり方などの概要をお話いただきました。

しかし、まだ計画はこれからやっと検討を始める段階でもあり、その内容については、先生とご相談しながら進める必要がある旨の御教示もありました。

また、先生ご自身は神戸がご出身であり、先の阪神・淡路大震災をご経験されていることから、この災害の際に被災者の生活再建がいかに行われたか、その中で、地域コミュニティーの結束がいかに有効であったか、といったことをお話いただきました。

とくに同震災においては、「まちづくり協議会」が果たした役割が大きかったこと、そうした組織化を進める上において、日ごろからの「近所づきあい」がいかに大切か、といったことをお話いただきました。

さらには、先生ご自身も関わったとされる、先の東日本大震災後のコミュニティ造りにおいても、その共助の内容などをグラフ等を用いて詳しく説明をいただくともに、支援活動は果たして役に立ったのか、といった具体的なお話もいただきました。

印象的だったのは、支援の効果として、支援を受ける側の人は、支援をする側の人以上に、支援が非常に役立っている、と感じている人が多い、というアンケート調査結果に基づいた説明です。支援する側は、こんな支援本当に役にたつのかな~、と思っている以上に、支援される側はそれを本当に役立っている、と感じている、といったことは意外でした。

災害という非常事態を通じ、いかに支援する側と支援される側の結びつきが強くなるものかが、こうした説明からも実感できました。

さらには、災害時における共助において家族以外の住民とのつながりの重要性などもお話いただき、とくに年齢が増すほど仲間意識が強まる、といったこともお教えいただきました。

加えて、海外での災害事例、国内でニュータウン以外に防災計画策定地域として選ばれた、他地区における実際の防災計画の事例などについても、御講演いただき、予定していた1時間はあっという間に終わりました。

最後の質問コーナーでは、かつて阪神淡路大震災の際に、先生と同様に被災されたのち、ニュータウンに移住してきた方から、先生の御講演に対する感謝の意なども評され、なごやかな雰囲気で会は終了しました。

今後は、川脇先生を中心として、谷村防災会長や自治会長、各地区防災委員も交えて具体的な防災計画を練っていくことになりますが、その内容については、その進展状況のそれぞれのステップにおいて、またこのブログでも紹介していきたいと思います。

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