サイクルスポーツセンターとベロドロームのこと

当ニュータウンは、伊豆という風光明媚な場所に位置するだけに、ちょっとお出かけするだけでほとんどどこでも観光名所というかんじであり、いつも紹介している、隣接の修禅寺虹の郷もそのひとつです。

伊豆市にはこのほか、「サイクルスポーツセンター」なるものがあり、これはJKA(旧・日本自転車振興会)など競輪運営団体の寄付金や補助などで建設費や運営費がまかなわれている施設です。

1965年開設で、ちょうど今年で50周年ですから、我がニュータウンの分譲開始と同じ年にオープンしたことになります。サイクルスポーツの普及を図る目的で建てられた施設であり、遊園地もあります。

3~4m上の軌道上を走るサイクルアトラクション、変わり種自転車、水上自転車などなどの各種の遊具施設もあって、これらのはこの施設の方針として、基本的には「人力で動かす」ものばかりです。

しかし、サイクルコースターという子供向けのジェットコースターやメリーゴーランドといった電動?施設も併設してあって、小さな子供でも楽しめるようになっており、このほかにも、レストハウス、体育館、多目的ホール、 流水プール、キャンプ場、パターゴルフ場、宿泊施設などがあり、「一日中楽しめる」が謳い文句になっています。

ちょっと前までは、温泉入浴施設(露天風呂あり)まであったのですが、残念ながら閉鎖してしまいました。

入場料大人820円、子供620円はかなりお安いと思うのですが、オープンから半世紀も経っているので、さすがに古色感は否めません。しかし、最近アスレチック迷路や、巨大ジャングルジムなどの新しいアトラクションを入れるなどして、少しずつリフレッシュを図っているようです。

競輪選手を養成する「日本競輪学校」も敷地に隣接して建てられており、自転車関係者の間では「競輪のメッカ」と目されているようです。

元々自転車競技のための施設として開園した経緯があり、上述の遊園地などは後付の施設です。このため、園内あちこちにある遊具と隣り合わせで本格的な競技トラックがあり、ロード競技用5kmサーキット・トラックレース用400mピスト(走路)・MTB(マウンテンバイク)コースなどがあります。一般にも有料で一般開放しているようです。

今年の連休明けの5月23日には、国内最大規模の自転車ロードレース、「ツアー・オブ・ジャパン」の「伊豆ステージ」もここで開催されました。これは、1982年から1995年まで14回に渡り開催されていた「国際サイクルロードレース」を継承する自転車ロードレースで、1996年にこの名称に変更され、第1回ツアー・オブ・ジャパンが開催されました。

日本国内で行われるロードレースとしては、都府県をまたぐ唯一のステージレースで、今年のレースは、第1ステージは5月17日に堺で始まり、以後、いなべ(三重)、美濃(岐阜)、南信州(長野)、富士山(静岡須走)、に次いで伊豆で開催され、最終ステージは5月24日に東京の大井ふ頭で行われました。

毎年、全ステージを通じて30万人近くの人々が会場や沿道に集まるといい、日本国内では貴重な存在ともいえる公道開催型の自転車ロードレースです。各開催地では出場選手たちによるセミナーやワークショップなども行われるようで、ここ伊豆でもこうした交流活動を市が支援しています。

一応は国際大会であり、また日本国内最高のステージレースとされているため、海外のチームも参加します。が、同じ時期に他の国でも同様な国際大会が開かれるため、なかなか強豪チームを招待しにくい現状があるようです。世界的に見るとレベルの低いレースとみなされているようで、さらにこの中でも日本選手はなかなか勝てないようです。

1996年の第1回大会以降、個人の総合優勝をしたのは、2004年、第8回大会の福島晋一選手だけです。ちなみに、一昨年の2013年はイタリア国籍の選手、昨年と今年の優勝者はともにイランの選手でした。

この、一昨年のイタリアのチームは、日本の建設会社・NIPPOの支援の下で結成されたチームで、監督さんは大門宏という日本人でした。

このため、所属選手はイタリア人がほとんどですが、日本人も数人含まれており、チームは数々の国際大会にも参加して実績をあげていることから、そのうちこれらの日本人選手の中からも有名な人が出てくることでしょう。

サイクルスポーツセンター内にはこのほか、日本初の木製走路競技場である「伊豆ベロドローム」があります。一番の特徴は、走路が木製であるということ。走路が木製仕様の自転車競技場は、日本では西宮競輪場(1949年〜1965年)以来となり、常設および室内の木製走路の自転車競技場としては、日本初です。

これ以外の日本の自転車競技場の走路はすべてアスファルト仕様ですが、2000年のシドニーオリンピック以降、トラックレースの国際大会は、一般的に、室内競技場であること、1周 250メートルあること、そして木製仕様の走路であること、などが開催の条件のようになってきています。

厳密に木製であることが規定されているわけではないようですが、これが国際的な標準仕様とみなされるような風潮があるようで、そうした背景から、2020年の東京オリンピックにおいては、自転車トラック種目の会場を、当初予定の東京からこの伊豆ベロドロームに変更してはどうかという動きがあるようです。

東京オリンピックは当初の計画では予算がかなり超過し、建設コスト軽減のため、数多くの施設が見直しの対象になっていることはご存知だと思います。自転車競技も例外ではなく、当初東京都江東区の有明に仮設の施設を整備する予定でした。

しかし、昨年12月に国際オリンピック委員会(IOC)が他都市との分散開催を認めたことを受け、元総理で自民党のドン、森喜朗オリンピック組織委員会会長が「伊豆を使うことがいいのではないか」と発言。伊豆ベロドロームが有力候補として浮上したわけで、これに引き続き、2月には日本自転車競技連盟(JCF)がこの案に同意する決議をしました。

同連盟は国際自転車連合(UCI)にこの内容を記した親書を送っており、東京都の枡添知事も新たに競技場を作るよりはコスト削減につながるとして、前向きの姿勢をみせているようです。伊豆市の菊地豊市長も「候補として名前が挙がったことは大変うれしい。もし決定すれば、伊豆半島の皆さんと一丸となって歓迎したい」と期待を示しています。

ただ、五輪で求められる規格を満たすためには観客席を増設する工事が必要だそうで、宿泊施設の確保や輸送などの課題もあります。とはいえ、東京からは新幹線利用で1時間半、また宿泊施設は地元の修禅寺温泉や長岡温泉などいくらでもあり、受け入れるベースはかなり整っているといえます。

このベロドロームには筆者も行ったことがありますが、大変に綺麗で立派な施設です。トラックレースのみならず、ロードレース、マウンテンバイクレース、BMXの競技も行えるように造ってあり、その設計はサイクルスポーツの本場、ドイツのラルフ・シューマンという人が行い、建設はこうした箱モノで定評のある日本の清水建設が行いました。

走路にはシベリア松を使用、周長 250mで、最大カント(最大傾斜角度)はナント45度もあります。なのに、幅員は7.5mしかなく、走路の間近に観客席があるため、文字通り「かぶりつき」で観戦ができます。

ただ、国内の他の競輪場で見られるような金網などはまったくないため、身を乗り出しての観戦は危険を伴います。また観客の不注意でモノを走路内に落としたりすることよって、競走中の選手に危害を及ぼしかねない可能性もあるため、こうした対策をどうするかは今後の課題でしょう。

また、観客席数が常設1800席、仮設 1200席というのは、オリンピック施設としては少々少なすぎる気がします。上述のとおり、五輪で求められる規格を満たすためには観客席の増設工事が必須となるようです。

とはいえ、2011年9月の竣工からまだ4年弱しか経っておらず、2020年の東京オリンピックの際でもまだ10年未満となりますから、ほとんど新品です。こうした立派なモノを使わない手はなく、ぜひ伊豆開催を実現してほしいものです。

サイクルスポーツセンターの諸施設も設立後半世紀を経てかなり老朽化しており、これを機会に施設の刷新を図ってはどうか、などと個人的には思ったりもしています。

が、まずは、伊豆でのオリンピック競技の開催を目指して、誘致に頑張っていただきたいと思います。あとまだ5年もありますから、再整備はそれからのこと。関係各者の奮起を期待したいと思います。

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